卵巣予備能の評価

卵巣予備能に特に定義はありませんが、卵巣の中に妊娠出産につながり得る卵がどのくらい残っているのかを表そうという概念です。数だけでなく卵の質をも含めようとするもので、妊孕能や妊孕性という概念よりも少し具体的に指標となるものを意味しています。

卵巣予備能と負の相関が認められる因子が年齢と基礎FSH(卵胞刺激ホルモン)であり、正の相関が認められる因子がAMH、インヒビンB、E₂、AFC(胞状卵胞数)となります。卵巣予備能はこれらから総合的に判断されます。

 

FSH基礎値とは月経周期の中でFSHの値が最も低くなる月経3日目頃のFSHの値です。FSHはE₂と負の相関があります。基礎FSHが高くなってくると卵胞の顆粒膜細胞のアポドーシス(細胞の自滅淘汰)頻度が高くなることが確認されています。その一方卵巣予備能がある程度低下しないと上昇しないことが問題とされています。継続的なFSH基礎値の上昇から卵胞残存数の低下が推定可能です。

 

AMHは発育途上の一次卵胞、前胞状卵胞、小胞状卵胞から分泌されるホルモンで、測定時期に影響されにくいホルモンです。残存する卵胞の数を大まかに推測する指標にはなるかもしれませんが、卵の質を表すものではないため、特に20~30歳代の場合にはこの値をもって妊孕性を推測することは難しいとされています。卵巣刺激とその反応性の予測という点においてはAMHは良い指標となり得ます。

 

インヒビンBはFSH調節たんぱく質の(FSH modulating proteins)の一つで、卵胞期初期に分泌されています。インヒビンA、アクチビンA、フォリスチンらとともにFSHの上昇を調節すると考えられています。閉経への移行期間初期あたりから減少し始めます。

 

E₂(エストラディオール)はエストロゲンの中で最も活性の高いホルモンです。生殖においては子宮内膜の増殖や頸管粘液の分泌、膣上皮の角質化などを促す作用があります。更年期への移行期間あたりからその基礎値は低下しはじめますが、一時的に分泌が上昇することもあります。

 

AFC(胞状卵胞数)は卵胞期早期(月経中)に経膣超音波を用いて確認できる胞状卵胞の数のことです。卵巣刺激に対する反応性と関連するとされています。

 

卵巣体積や重量は年齢の上昇とともに徐々に減少します。超音波によって計測されます。

 

以上のようなもので卵巣予備能を測る試みがされていますが、卵の数や刺激に対する反応はある程度評価か可能のようですが、卵の質の評価は難しいようです。

 

 

2016年06月19日