AMHってどんなホルモン?

AMHが卵巣の中でどのような働きをしているのか、あるいはそれを調べることにどのような意味があるのかを知るために、まず卵胞の発育を再確認しましょう。原子卵胞が発育を開始し排卵に至るまでには、以下のようなステージを経ておよそ6カ月半かかります。

  • 原子卵胞➡一次卵胞➡二次卵胞➡前胞状卵胞小胞状卵胞➡主席卵胞➡排卵

AMH(アンチミューラー管ホルモン)は一次卵胞前胞状卵胞小胞状卵胞の顆粒膜細胞で作られます。卵巣内では原子卵胞から一次卵胞への発育、成熟卵胞の発育などに関与しているといわれています。

 

AMHは卵巣刺激で採卵できる卵子の数と正の相関を有するため、採卵に当たりどのような刺激法を採用するのかを決定するのに参考となります。患者さんの中にはAMHの値が低いと諦めモードに陥ってしまう方もありますが、妊孕性に重要なのは卵子の質であり、AMHで卵子の質を予測することはできません。

 

仮にAMHが1以下になっても、あるいは検出感度以下になっても、原子卵胞の在庫が0になったことを意味してはいません。AMHGenⅡによる測定では測定感度以下になっても閉経までには5年ほどあるという報告もあります。また、卵巣内の原子卵胞数が概ね1,000以下になると閉経するともいわれています。採卵方法を工夫して胚が確保できれば妊娠する可能性はあります。そうした試みの中に限定的な効果ではありますが、鍼灸やサプリなどで血流やホルモン環境を整えようとする試みがあります。実際にAMHがある程度回復したという報告もあります。また、適量のホルモン補充(エストロゲン)により卵胞の発育を促すことも方法の一つです。

 

卵巣予備能はAMHだけでなく、FSH基礎値、E₂基礎値、AFC(胞状卵胞数)…などから総合的に判断するものです。あまりにこの値ばかりを気にすると無駄にストレスの影響を増やしてしまうリスクがありますのでご注意ください。

なお、年齢が若い方の低AMHは妊娠力とは無関係といわれていることもお忘れなく。

 

 

2016年06月05日