良質な精子を作るために

まず、膣内に射精された精子がどうなるのかを簡単に把握しておきましょう。

  • 膣に射精された精子の子宮頸管を通過して子宮内に到達するのは0.1%(10万程度)
  • そのうち卵管に達するのは数百程度(0.0001%)
  • 卵管に達しなかった精子は子宮腔内で白血球に貪食される

いかがでしょうか?通常射精された精液には1~2億程度の精子が含まれています。白血球の攻撃から逃れつつ子宮頚部や卵管接合部といった難所を潜り抜けて、受精の舞台である卵管膨大部までたどり着けるのはほんの一握りに過ぎません。自然妊娠にとって良質な精子をより多く確保することがタイミングをとることと同様に重要であることがお分かりいただけると思います。

精子は74日かけて造られます。そして常に造られ続けています。精子の老化は射精後から始まるのでしょうか?実際には射精しなくても老化は進行します。「排卵前だけでなく日ごろからの性交渉が大切です」とか「性交渉の回数を増やしましょう」といった類のアドバイスは、タイミングのみならず老化した精子を排して精子の質的向上を促すことにも役立つといえます。実際に、乏精子症の男性に毎日射精させると精子数や運動率が良好になるという報告があります。

また、最近では男性の高齢化に伴う精子老化、質的低下も注目されてきています。酸化ストレスによって精子のDNAが損傷し妊娠させる力が低下するというものです。男性も35歳からこの精子力の低下が始まるそうです。

喫煙は言うに及ばず深酒も酸化ストレスになりますので、日常的な深酒は避けた方がよろしいでしょう。

2016年05月31日