ミトコンドリアの機能と関連するかもしれないサプリ①・・・Lカルニチン

このところ不妊治療の分野では、細胞の代謝とか呼吸量といった分野に注目されることが多くなってきましたね。胚の選択においても形態による分類によらず、呼吸量を測定して選択した方が結果につながるという報告もあります。また、細胞内のエネルギー産生を高めるため、ミトコンドリアを活性化させるといった記述もよく見かけるようになりましたね。

 

このような目的のためサプリメントを利用している方も少なくないのかも知れません。ですが、当室の患者さんを見ていると、どのようにその成分が状態を改善するのかについては理解していない方も見られます。基本的なところを少しずつ整理していければと考えています。

 

まずトップバッターとしてLカルニチンです。卵子やミトコンドリアの活性に関与するサプリといえば、DHEAやアミノレブリン酸、ミトコアなどを連想する方が多いかもしれませんね。「第一弾がなぜLカルニチンなの?」と思われるかもしれません。

 

活性化がカギなんです...なんて話になると、どうしても機能を上げる方ばかりに注目が集まりがちです。細胞の呼吸量を上げるようなことをすると、その結果(燃焼の結果)として産生されるものをきちんと排出しなければ、細胞はまともに機能することが出来なくなってしまいます。つまり、細胞のアポトーシスが起こってしまうのです。

 

当室でも鍼治療や近赤外線レーザー鍼を利用してミトコンドリアの活性化を促しております。ただし、当室で使用しているスーパーライザーは半導体レーザーのように単一波長ではなく複合波長のため、活性のみならず搬出に関与するフォトレセプターをも活性化させるため、上のような機能不全は生じにくいと考えられます。

 

さて、Lカルニチンですが、細胞のエネルギ産生に物質の運搬を通してかかわっています。

 

●エネルギー産生に必要な長鎖脂肪酸を燃焼の場であるミトコンドリア内に運搬する。

●その結果として生成された有毒物質をミトコンドリア外へ搬出する。

 

ミトコンドリアの膜を通して物質の搬入と搬出をする膜の機能と呼んでも良いかもしれません。

 

 

老化によりカルニチンの濃度が低下するとミトコンドリアの膜の状態(膜内外の搬入搬出といった運搬機能)が悪くなると考えられています。

男性の生殖に関して、カルニチンを2~3g摂取すると精子の質が改善するといった報告、あるいは精子の濃度・運動率が改善するといった報告があります。

卵子との関連ではLカルニチンを培養液に添加すると細胞質内におけるミトコンドリアの凝集が抑制されるといった報告があります。若い女性の卵子内のミトコンドリアは細胞質内に広く分散して存在しているのに対して、老化した細胞のミトコンドリアは凝集(固まって)して存在しています。つまり、その加齢により凝集した状態が改善されるということです。

 

カルニチンによる運搬機能の増加によるエネルギー産生増加と不要物質の搬出による細胞死の減少などが関連していると考えられております。なお、カルニチンにはLカルニチンとDカルニチンがありますが、体内活性があるのはLカルニチンです。

 

 

2018年01月23日