メトホルミンと卵質改善

「医師からメトホルミンを処方されたが、これは何のために服用するんですか?」と先日質問されました。

 

不妊治療におけるメトホルミンと言えば多嚢胞卵巣症候群(PCOS)の患者さんにインスリン抵抗性を改善することで血糖値を下げ、卵巣のアンドロゲンを低下させることで自然排卵を回復させる...といった目的で使用されることはご存知の通りだと思います。。

 

*肝臓における糖新生の抑制
*末梢での糖利用の促進
*腸管における糖吸収の抑制

など多彩な作用機序を有します。

PCOSに対しては、代謝の改善により病態を正常化し排卵を促す目的があります。

 

さて、この方の場合は年齢に伴う妊孕性の低下が主な原因と考えられ、PCOS、血液検査における血糖値も問題、排卵障害などは全て問題なしでした。不思議に思って先生とどのような話をしたのかを尋ねると、過去に他院で何度かIVFを行ったが着床しなかったことを相談したとのことです。

 

話の流れから推測しますと、おそらく食後の血糖値の上昇による排卵や卵質への影響を気にしたのではないでしょうか?

 

米国の調査では食後の血糖値を上昇させやすい炭水化物を多くとっている女性は不妊リスクが高まるという報告があります。(厳密にいえば炭水化物でも、速やかに血糖値が上がものと、時間をかけて穏やかに上昇するものが存在します)白米やパンなどをたくさん消費するような食生活だと食後の血糖値が上昇しやすいと言えます。反復着床不全なので、これを穏やかにして卵質を改善しようと判断されたのではないかと推測されます。

 

メトホルミンの副作用は主に消化器症状で食欲不振・悪心・嘔吐・下痢・便秘・腹痛などが4%程度発症します。

 

これを読まれている方の中に、もし食後血糖値の上昇による卵質への影響を気にする方がいるのであれば、食事とくに炭水化物の摂取に気を付けましょう。

炭酸飲料・ソフトドリンク・ケーキ・菓子パン・ピザ・ポテチ・ポップコーン・白米・パン・ビール...

などの糖質は吸収が早く食後の血糖値を上昇させやすいので注意が必要です。

 

身体を冷やすので要注意と言われがちな果物は、比較的穏やかに吸収される炭水化物を含んでいますので糖質の点からは問題はありません。

小麦粉→全粒粉、白米→玄米などの切り替えを図り、果物やナッツなどから上手に炭水化物を摂取すればよろしいかと思います。

 

 

2017年12月05日