子宮筋腫と不妊

子宮平滑筋細胞が子宮筋腫細胞に変化し、その子宮筋腫細胞が単クローン性に増殖することにより形成されるのが子宮筋腫です。その発生はいまだ不明な点が多いですが、ホルモンや遺伝的修飾因子の作用などの他様々な因子の作用が関係するとされています。

不妊と子宮筋腫の関連では以下のように報告されています。

 *粘膜下筋腫の妊娠率は通常の3割程度に低下
 *漿膜下筋腫は妊娠率に影響はない
 *筋層内筋腫は通常の8割程度に低下

筋腫がある場合にどのように対処するかについてはガイドラインがあるのでここでは省きます。

子宮筋腫がどのように妊娠の成立を妨げ得るのかを考察してみましょう。

 *子宮内膜の増殖への影響
 *黄体期における子宮内膜の分化への影響
 *子宮内膜の血流への影響
 *子宮筋層蠕動運動への影響(亢進)
 *T細胞(過剰)やNK細胞(不足)への影響

物理的に内膜や筋層内の血管が圧迫されることで、着床に関連する様々な因子が組織的にも分子レベルでも影響を受けることが懸念されます。

東洋医学では子宮筋腫の要因を瘀血とすることが多いかと思いますが、単純な血流障害ではないことは明らかです。しかしながら、子宮筋腫の発生増殖に低酸素状態が関与していることも報告されています。詳細は省きますが、結果的に細胞のアポトーシスを抑制してしまうために筋腫が増殖するということです。月経時には子宮筋層内には一過性の虚血が生じるため低酸素状態になることで子宮筋腫の発生や増殖が促進されることが懸念されます。

鍼灸や漢方といった東洋医学は、瘀血に対するアプローチにより血管の抵抗性を減じ血流を促し、低酸素状態を改善することで筋腫に対して良い影響を与えていると云えます。

また、血流を改善することで先に述べた物理的な圧迫などによる内膜への影響も改善・軽減させることが可能です。

子宮筋腫を抱えた状態で不妊治療にチャレンジしている方は鍼灸や漢方を是非利用していただきたいです。

2017年11月06日