子宮内膜が厚くならない方へ鍼灸に光学的治療を併用した治療例

胚移植を行うにあたり、子宮内膜の厚さを8㎜以上と条件設定しているクリニックは多いかと思います。移植時に7㎜以上であれば妊娠率にそれほどの差はないという報告もあります。そうであっても重度の子宮内膜菲薄化に悩む女性にとって頭の痛い問題です。この夏、光学的治療と鍼灸の併用で、3名の難治性子宮内膜菲薄化の方を治療する機会を得ましたので、3カ月間の経過を紹介しておきます。

はじめに内膜が厚くならない場合にクリニックで行われる一般的な治療法を紹介しておきます。

●ホルモンからのアプローチ
  エストロゲンを補充する
  GnRHアゴニスト

●血流改善からのアプローチ
  低用量アスピリン
  トレンタール
  ビタミンE
  Lアルギニン

  バイアグラ膣錠

●G-CSF(詳しい作用機序は不明ですが、血管新生因子の集積に関与する)

もう少し詳しく知りたい場合は以下ををご参照ください。

G-CSF療法 血管新生と子宮内膜

 

これらの治療を試しても厚くならない場合には、移植に難渋するわけですが、最近難治性の子宮内膜菲薄化により、数年にわたりなかなか移植のチャンスに恵まれない方を鍼灸治療と光学的治療(スーパーライザー)を併用し3名治療いたしましたので、不妊治療としてはまだ継続中の方もいますが、子宮内膜厚の変化を記しておきます。


Aさん(40代)
6年ほど前から不妊治療をしているが、内膜は5~6㎜を推移し、採卵は可能であるがあまり移植のチャンスに恵まれない。排卵後の自己黄体ホルモン分泌や黄体ホルモン剤投与で、薄い内膜が更に1~2㎜ほど薄くなる。約2年前から当室に通い鍼灸を行うが移植時に7㎜以上をキープできたのは片手で十分に足りるほど。。。
スーパーライザーの導入に伴い鍼治療に光学的治療を併用する。
1周期目は週に1度の治療で、排卵前7.3㎜→移植予定日6.8㎜となり移植中止。
2周期目はARTを休むことにし、次周期に備えて治療を2回/週とした。
3周期目、採卵時は6.8㎜ → 移植日7.3㎜ となり移植を行う。その後妊娠継続中。


Bさん(40代)
一人目不妊(3年前)の治療の際には8年以上にわたり内膜の菲薄化で苦しんでいた。4~6㎜で移植のチャンスに恵まれなかったが、半年間の鍼治療で2周期続けて9㎜ほどになり妊娠し一人目出産。
二人目の希望し治療に来たので2か月ほど鍼灸治療を行い、その後1カ月鍼と光学的治療を週に1回行った。その後は、9.1㎜、7.9㎜と内膜は厚くなってきているが、まだ妊娠には至っていない。


Cさん(40代)
若い頃はそれなりに厚くなったそうですが、この1年ほどはせいぜい6㎜ほどの状態が続いている。また、卵胞の発育も良くなくこのところは採卵もできない状態。ちょうど光学治療器が入ったころに来られたので、2回/週で治療を開始。治療開始2周期目には卵胞が発育し採卵ができた。3周期目には内膜厚は排卵想定時で8.1㎜となり、移植時には8.0㎜となった。その後、妊娠継続中。

 

2017年09月11日