空胞とはどんな状態か?

期待に胸を膨らませながら採卵に望んだにもかかわらず、空胞で卵を得られなかったという経験をされた方も少なくないかと思います。ある程度の年齢の方だと「そろそろ限界?」などと考えてしまう方もあるかもしれません。空胞の原因を考える場合には、卵胞と排卵について少し詳しく理解する必要があります。

 

まず、卵胞は卵子・顆粒膜細胞・莢膜細胞の3種類の細胞で構成されています。卵子は顆粒膜細胞に埋もれた状態で存在します。この埋もれた部分を卵丘とよびます。LHサージが起こると通常12時間~18時間ほどで排卵に至ります。このLHサージから排卵までの間に卵丘細胞卵子複合体(←卵子という理解で問題ないです)が顆粒膜細胞から剝がれ卵胞液内に浮遊します。通常はこの後にプロスタグランジンの作用により卵胞壁が破れ排卵となります。

 

採卵するには、卵子が卵胞液内に浮遊してから行うことが重要になります。通常採卵時期の時期は卵胞径やE₂(エストラジオール)の値を参考にして決められます。hCGやGnRH agonist投与後34時間から36時間後に採卵になるかと思います。一般にhCGを投与してから排卵に至るまでの時間は36~42時間といわれています。可能な限り排卵ギリギリまで待つのが理想ですが、個体差、患者さんの都合、採卵予約スケジュールなどの要因により、卵子が卵胞壁から剥離される前に吸引となることもあろうかと思います。このような場合には残念ながら空胞となってしまいます。また、多数の卵胞を育てた場合には、卵胞ごとの成熟度合いには微妙な差が生じますから、一部が空胞となってしまうこともあります。

 

重度の卵胞発育障害がある場合には、小さいサイズの卵胞からぎりぎりの決断で採卵に踏み切ることもあろうかと思います。やはり教は科書通りに進まないでしょうから、採卵の判断はケースバイケースとなり難しいものとなります。

 

もちろん加齢による影響などもあろうかと思います。空胞への対策としてやはり大切なことは、卵胞を多く育て卵子を成熟させることです。血流を良くして卵胞卵巣がしっかりと機能できる環境を整えること、特にミトコンドリアは細胞活動のエネルギー供給源ですからその機能は不妊治療の成否にかかわります。

未熟卵子内のミトコンドリアと排卵前の卵子内のミトコンドリアでは、その形状も数も異なり、卵子内の分布状態も排卵前には均一になることでATPの供給にむらがなくなるとされています。これはフラグメントとの発生に関係すると報告されています。

 

仕事をしながらの不妊治療だとスケジュールの調整が難しいかもしれませんが採卵までに熟成時間が十分に確保されているか?などをチェックしてみるとよろしいかと思います。

 

サプリや薬剤などで血行を良くしたにもかかわらず、卵胞発育や採卵状態などがあまりよくない場合には、直線偏光近赤外線を集中的に行うことをお勧めしますよ。

 

2017年07月29日