高プロラクチン血症と不妊

高プロラクチン血症は、症状として乳汁分泌や月経不順を伴うことが多いため、乳汁漏出症ともいわれます。月経異常や不妊症の女性の2割弱ほどに認められると報告されています。

 

プロラクチンは脳下垂体前葉で産生され、ドーパミンにより抑制的に調整されています。プロラクチンの作用は、乳腺の発達、乳汁分泌、黄体機能の調節、精子形成、性行動への関与、浸透圧の調整、免疫機能の調節など非常に幅が広いです。

 

プロラクチンの分泌は一定ではなく、日内変動(一日の中で分泌量が変動する)、月経周期内変動(月経ステージにより分泌量が変動する)、また採血時のストレスによっても値が変動するとされています。

30-50ng/ml程度の軽度の上昇:黄体機能不全や無排卵月経

50-100ng/ml程度の中度の上昇:稀発月経、無月経

100ng/ml以上:無月経の頻度が多くなる

程度により乳汁分泌以外では、上のような症状が出やすくなる傾向があります。

 

高プロラクチン血症を引き起こす代表的な原因には以下のようなものがあります。

腫瘍性:プロラクチンの産生増大

薬剤性:薬剤によりドーパミンの産生が抑制される、薬剤がドーパミン受容器に拮抗的・阻害的に作用する(ドーパミンが存在するのに作用できなくなる)~ドーパミンによるプロラクチン(PRL)抑制が弱まりPRLが増大する

甲状腺機能低下:T₃、T₄の低下によりTRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)の分泌が増大する。TRHはTSH(甲状腺刺激ホルモン)だけでなく、プロラクチンの分泌も増大させる。

 

高プロラクチン血症の場合には、GnRHのパルス状分泌の抑制とLHサージの抑制などが生じ、排卵障害などが生じると考えられています。

 

対処法はありますので、不妊や月経不順などでお悩みの方で、婦人科を受診したことがない方の場合には、一度血液を調べてもらうことをお勧めいたします。ストレスも関連が深いホルモンですので、検査せずに悩み続けるのは良くないと思います。

 

軽度の高プロラクチン血症の場合には、鍼灸治療で改善する場合も多いのですが、もし背景に甲状腺機能低下などがある場合になどは、妊娠後の流産リスクの増大につながります。可能性がありそうな方の場合には、当室では婦人科検査をお勧めしています。

 

 

2017年07月01日