原因不明不妊を考える

女性サイドの不妊原因には、排卵因子(多嚢胞卵巣症候群、抗プロラクチン血症、早発卵巣不全)、卵管因子(子宮内膜症や性感染症による卵管閉塞や癒着、筋腫やポリープの影響による卵管への影響)、子宮因子(一部の子宮筋腫やポリープの影響による着床障害)、子宮頸管因子(精子の子宮空内への進入や受精能獲得への影響)、免疫因子(抗精子抗体、精子不動化抗体)などが考えられます。

 

一般的な不妊スクリーニング検査を行っても原因がはっきりしないものを原因不明不妊(unexplained infertility)といいます。不妊の内15~25%ほどは原因不明であると報告されています。偶発的な不妊も確かに考えられますが、決して原因がないということではありません。検査で原因を究明することが現段階では難しいものも含まれています。

 

①卵管疎通性のある卵管機能障害
卵管や卵管采周囲の癒着などにより、卵管自体は閉塞していなくても卵の取り込み(ピックアップ)や配偶子(受精卵)の運搬が障害されている。

②受精障害
タイミング法やAIHでは実際に受精が成立したか否かを確認する方法はありません。体外受精においては実施患者の10%ほどに受精障害が認められると報告されています。受精後の分割停止や多精子受精といった卵活性化の障害も受精障害といえます。

③着床障害
原因不明不妊における着床障害には、胚の問題、子宮の問題、免疫の問題、胚と子宮のクロストークの問題が考えられ、アシステッドハッチング、培養液の工夫、内膜スクラッチ、G-CSF投与、慢性子宮内膜炎の治療、ビタミンD、ヒト免疫グロブリン注射、移植時期の変更など様々な取り組みが行われています。

 

以上が想定される原因不明不妊の大まかな原因ですが、一部を除き個々のケースで原因を特定することは難しいのが現状です。また、これらに加えて年齢による妊孕性の低下が複雑に絡んでくると考えてもいいでしょう。なかなか結果が出ないケースも少なく治療には忍耐を要します。

 

2017年06月22日