卵管の疎通性・癒着

卵管の疎通性とは、卵管が閉塞していない状態のことです。この卵管の疎通性や子宮内腔の状態などを調べるために行われる検査が、子宮卵管造影検査(HSG:hysterosalpingography)です。

 

この検査に関連して、かつて海外で興味深い報告がなされました。


 

HSG検査で片側卵管閉塞と診断された患者の検査後一年間の自然妊娠率は、閉塞なしの患者よりも19%低下すしる。同じく両側閉塞と診断された患者の場合は72%低下する。


両側閉塞なのに妊娠するの?と不思議に思われるかもしれません。これは検査の精度の問題で、要するにあやふやな部分があるということです。

同じ報告において、腹腔鏡検査において片側卵管閉塞と診断された患者の検査後一年間の自然妊娠率は、閉塞なしの患者よりも15%低下し、両側閉塞と診断された患者の場合は76%低下すると報告されています。

 

卵管の疎通性という点に関しては、どちらの検査も完全ではないということです。

個人的には、卵管閉塞を理由に体外受精などにトライしている方でも、何もしない周期はタイミング法などを行うことを勧めております。

 

上で紹介した報告で、HSGと腹腔鏡検査の自然妊娠率の低下が同じようなものだから、腹腔鏡検査(laparoscopy)は不要なのかといえば決してそうではないと思います。腹腔鏡では疎通性だけではなく、卵管や卵巣周囲の癒着状態を直接確認し処置することが出来るからです。

原因不明不妊に対して腹腔鏡検査を行った場合には、約8割に異常が確認され、そのうち10~30%が卵巣卵管癒着で、60%が子宮内膜症病変であるとも報告されています。

 

体外受精を行えば問題ないという考え方もありますが、少ない回数で結果が出なかったり、費用等の問題で頻繁にはチャレンジできないという場合には、腹腔鏡検査を行ってみるという選択肢もあります。

 

 

2017年03月22日