チョコレート嚢胞

卵巣チョコレート嚢胞とは、卵巣の中に形成された子宮内膜症のことです。嚢胞の中に剥がれ落ちた内膜が溜まっていくことで、嚢胞は徐々に大きくなっていきます。卵巣内のチョコレート嚢胞に加えて、卵巣表層の内膜症や周辺組織の癒着が伴うことが多いかと思います。

 

さて、この卵巣チョコレート嚢胞と不妊に関してですが、体外受精や顕微授精などのART(生殖補助医療)の前に嚢胞を摘出しても妊娠率、生児獲得率、採卵数は改善しないとされています。また、原始卵胞は卵巣皮質に存在します。摘出により卵巣皮質が剝ぎ取られるため、卵巣予備能は低下するとされています。術後、AMHは低下し、卵巣のFSHに対する反応も低下することが知られています。

 

このため、一般的に3~4㎝に満たない嚢胞の場合には、体外受精や顕微授精などのART(生殖補助医療)が優先されるケースが多いかと思います。

 

チョコレート嚢胞を含む子宮内膜症は炎症性の疾患です。このため周囲の組織の線維化を伴います。この線維化が正常な卵巣皮質の構造を破壊し、卵胞の密度の低下を招くことが懸念されています。また、局所の炎症や前胞状卵胞などから分泌されるAMHの低下は、休眠状態にある原子卵胞の発育開始を促進します。しかし炎症環境下では初期卵胞はアポトーシスに陥ってしまいます。

 

このようにして、チョコレート嚢胞を有する卵巣の卵巣予備能は低下すると考えられています。年連が若い場合であっても卵胞密度は低下しています。

 

このことを考慮して、不妊治療を考えなければならないと考えています。

 

 

2017年01月22日