肩こり

40代女性。この2か月ほど急に肩が凝り始めて辛いといって来院された。また、若いころから低血圧であったが、最近は高めに推移して上は150ほどあるとのことでした。

 

肩こりは、疲労、血流障害、姿勢不良、ストレス、ほか整形外科的な問題や内科・婦人科的な問題を背景とするものなど、その背景要因は様々です。痛みをはじめとし、疲労感、重苦しさ、緊張感、こわばりなど様々な苦痛をひとまとめにして、肩こりと表現しているものと思います。患者さんの中には、「外国人は肩が凝らないって本当ですか?」と質問される方があります。日本語の「肩こり」と同じような概念(苦痛の総称)に相当する単語が英語にはないだけで、外国の方も普通に肩は凝っていると思います。どこの国でも普通にマッサージなどがあることを考えれば理解しやすいかと思います。

 

原因はさておき、苦痛を感じると交感神経が興奮した状態になります。これが血行を悪くして筋疲労を起こし肩こりにつながる場合もあるかと思います。また、交感神経は筋線維自体にも広く分布していますので、その興奮自体が筋肉の緊張を引き起こしてしまいます。このため、放置すると悪循環が形成されなかなか回復しないという状況にもなります。

 

肩こりの治療は、肩こりの原因自体にアプローチして現在よりも肩が凝りにくい状態を目指す治療と、悪循環を解消して現在抱えている苦痛の軽減を図るものの二つの選択肢があります。患者さんの希望により使い分けているのが現状です。

 

さて、上の患者さんの場合には、背景に人間関係のストレスが存在すること、血圧が高くなっていること、月経が不規則になってきていることなどを考慮して定期的な治療を行うことにしました。苦痛の早期軽減と血圧の安定を図るため始めの1カ月ほどは2回/週の治療を行い、症状が軽減してきたところで1回/週としました。年齢的な問題から月経自体の回復は困難で、いわゆる更年期症状も現れましたがあまり悪化することもなく、血圧も安定し肩こりもあまりひどくなることもなく更年期を乗り切ることが出来ました。

2016年12月15日