肩の痛みと睡眠障害

40代の女性の症例です。睡眠中に肩から腕にかけて痛みが走り目が覚めてしまう状態が1年ほど続いているとのことでした。夜間痛などの自発痛ではなく、寝返りをうつ際に強い痛みが走るそうですが、肩関節の可動域には特に制限は見られない状態でした。

 

整形外科を受診して肩関節を調べてもらったが特に異常はなく「五十肩でしょう」と云われたとのこと。鎮痛剤の処方をされているそうですが、服用しても痛みに変化はないそうです。

また、当室に来る前に接骨院で五十肩の保険鍼灸をしばらく受けていたそうですが、症状の改善はなかったそうです。

睡眠不足が続いているためかかりつけの医師に相談したところ、睡眠剤を処方されたそうですが、かえって不安になり服用しなかったとのこと。知人の紹介で当室を受診するに至ったそうです。

 

肩関節周囲を触診したところ、関節部というよりも棘下筋という肩甲骨に付着する筋肉に3~4cmに渡り硬結がみられた。エコーで確認したところ、同部位に広範な重積像が確認されたため棘下筋の筋筋膜痛(痛覚レセプターの過剰興奮)として治療を行うこととした。治療内容としては鍼手技による筋膜重積層へのアプローチと同部位へのレーザー鍼を組み合わせ、時々筋膜の可動性を高める目的で鍼パルス(低周波置鍼)を行った。週に2回ほどのペースで6回ほど治療を行うと、夜間の寝返り痛はほぼ消失した。しかし、画像上はまだ筋膜が肥厚線維化している様子だったため、さらに週に1回のペースで2か月間ほど治療を継続した。

 

その後、夜中に痛みで目を覚ますことはなくなった。また、触診上の硬さもほぼ無くなり、画像上も重積が大きく改善していたため、当面月に1回ほどは様子をみせに来ていただくということで治療を終了した。

2018年05月04日