脛(すね)の痛み・痙攣 トリガーポインとエコー活用

2カ月ほど前から右足の前脛部(いわゆるスネ)の痛みと夜間の痙攣がとれないという患者さんが来院されました。整体マッサージや整骨院などにも通われたそうですが、あまり症状が改善しないとのことでした。仕事で一日中立っていることが多いそうですが、移動(動き回ること)はそれほど多くはないそうです。

 

痙攣する筋肉は前脛骨筋ですが、痛みを覚える部位は脛にとどまらず足首や足背あたりも痛むとのことでした。更にお話を伺うと、美容師をされているそうで、右足に体重をかけていることが多いような感じでした。

 

前脛骨筋筋膜上のトリガーポイントによる痛みを疑い同筋および協調的に使用される筋に鍼治療を行うことにいたしました。

 

トリガーポイントとは弾力性の低下した筋の筋膜上に生じる変性のことで、痛覚レセプターの過剰な興奮を引き起こすことで、その場所の痛みや周辺部位の痛み(関連痛)を引き起こします。筋を使いすぎること、使わなさすぎること、体内の水分が減少傾向にあること、などがトリガーポイントの形成を促すといわれています。

 

従来は、触診により索状硬結などを探して治療ポイント(阿是穴)を決定していました。トリガーポイントの検索や深い部分にある変性部に正確に鍼を刺入することは、高度な技術と熟練した鍼操作が必要です。

 

筋膜は比較的エコーで観察しやすいため、トリガーポイントが疑われる場合には、触診による検索に加えてエコー観察後に部位(ゾーンや深さ)を特定して鍼を刺入することで、より正確に治療することが可能となりました。

必要な場合には、エコーガイド下で鍼を刺入することもできますので安全性も向上しております。

 

 

写真はトリガーポイントの形成が疑われる筋膜の重積部位に、鍼の先端が届きかけているところをとらえたものです。

 

この患者さんの場合には、2~3日置きに3回ほど治療することで痛み・夜間痙攣は消失しました。

 

立ち仕事をしていると筋肉を動かしているような印象を受けますが、歩き回ることが少なければ筋肉は不動に近い状態を強いられます。この方の場合、歩く量を意図的に増やすことを心がける、足の筋肉を積極的にストレッチする、足首を良く回す...などを心がけて極力再発を抑えることとなりました。

まぁ、職業病的な部分もありますので、時々はコンディションチェックに受診してくださいね。

 

2018年02月17日