ものもらい(麦粒腫)と鍼灸

ものもらい(麦粒腫:ばくりゅうしゅ)の方が、なかなか治らないといって鍼灸院を訪れることがあります。当室を訪れる方の多くは眼科で治療を受けて一旦は症状が治まるけれど再発を繰り返すような方です。世間の方の多くは鍼灸が感染症に効くなんて知らないでしょうから、はじめのうちは半信半疑という感じで治療が始まることも少なくありません。始めてみると再発を繰り返していたのに治ってしまったりとか、長期間治らなかったのが案外短期間で治ったという声が効けることが多いのもこの疾患です。

 

麦粒腫は常在菌(黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌など)がまぶたの分泌腺に感染することで生じる腫れ・かゆみ・痛みなどの症状を引き起こす疾患です。原因となる菌は通常私たちの身体に普通に存在する菌ですが、何らかの原因により免疫・抵抗力が低下した場合に発症してしまいます。以下のような方は免疫抵抗力が低下したり、菌が繁殖しやすい環境を作っている可能性があります。

ストレスや疲労が蓄積している方
睡眠障害で悩んでいる方
慢性疾患を長期に渡って患っている方
化粧の落とし方が不十分な方
目を触る癖のある方
コンタクトレンズの使用が正しくない方

 

通常は抗菌薬(点眼)などの使用で改善しますが、改善しない場合や再発を繰り返す場合には自然免疫を強化し抵抗力を上げる必要があります。当室では、鍼灸で原因となっているストレスや疲労の緩和を図ったり、睡眠障害の改善を図りつつ、手や背中や頭部のツボにお灸を行い免疫抵抗力の改善を図ります。最近の例では、肉親や最愛のペットの死などのショックから立ち直れない方とか、アレルギー性鼻炎やアトピーの悪化などで睡眠が障害されストレスをためている方などが実際に来ていました。

 

同じような症状を呈する病気に霰粒腫(さんりゅうしゅ)があります。「目いぼ」とも云われるそうですが、まぶたの周囲の分泌腺に脂肪が詰まってしまうことが原因です。麦粒腫との鑑別は実際には素人には鑑別が難しいケースもありますから、目の周囲の腫れや痛み痒みなどが生じたら早めに眼科を受診することをお勧めします。

2016年07月17日