メニエール病

耳の内部には、平衡感覚に関与する三半規管と聴覚に関与する蝸牛という器官があります。双方ともに内部にはリンパ液が貯留していますが、このリンパ液が過剰な状態となったために機能が障害されて、めまい、難聴、耳鳴り、耳閉感といった症状が生じるものをメニエール病といいます。付随症状として吐き気や冷や汗、動悸といった症状を伴うことも少なくありません。めまい患者の1割弱ほどがメニエール病ともいわれています。

耳鼻科では基本的に薬物による治療を行います。治療は長期に及ぶことが少なくなく、治療開始が遅れると慢性化の原因にもなりますので、めまいや耳に違和感を感じた場合には速やかに病院を受診してください。

東洋医学では、飲食や肥満などによる痰湿、肝気鬱結といっていわゆるストレス過多による熱による影響、虚弱体質、出産やストレスにより生じる気血不足などが原因となって生じることが多いかと思います。身体の各器官を滋養する気血という生理物質が不足していたり、それらを巡らせる機能にトラブルが生じるために、器官(内耳)を滋養できなくなるために生じると考えてもよろしいかと思います。

当室では、発症後数カ月経ってから患者さんから相談されることが多いです。付随症状を含めて治療を行うことで、患者さんの苦痛を減らし早期回復を目指します。治療は調子の悪い時にだけ行うのではなく、良い時も悪い時も継続的に治療介入することで症状の軽減安定を促します。

症例 50代女性

半年ほど前にメニエール病を発症。耳鼻科にて薬物治療を行っていて、以前よりは症状は軽くなっている。現在も不定期に起こるめまいと、耳閉感、肩こり、後頭部痛などが辛いといって来院されました。軽い不安症状やうつ傾向もみられる。介護の仕事をされていてストレスや疲労と、ご主人との死別といった心労が重なっている。週に1回の治療を行うことした。半年ほどでめまい発作や耳閉感・後頭部痛が生じることはなくなり、肩こりや不安・うつ症状も軽くなった。