LLLTレーザー鍼

レーザー鍼、LLLT Low Level Laser/Light Therapy ってどんな治療?

細胞や組織は光線を浴びるとその働きに様々な変化が起こります。赤外線や遠赤外線を利用した温熱療法はよく知られてますが、光線としては深くまで浸透することはありません。表面を温め温まった血液が循環することで身体が一時的に温まる施術法です。

LLLTレーザー鍼療法は、600nm~1000nmほどの赤線や近赤外線の熱作用を極力抑制して、光のエネルギーを深部の細胞に吸収させる事を目的に行われる施術法です。弱いレベル(低レベル)の近赤外線を一定時間連続照射したり、熱作用を抑制するためにパルス照射、皮膚での反射を回避し深部まで到達させる浸透照射法を行うことが特徴です。

分子レベル、細胞レベル、組織レベルで起こる様々なメカニズムが判明しています。cytochrome c oxidase(シトクロムC酸化酵素)やporphyrins(ポルフィリン)などの細胞内のミトコンドリアに存在する光受容体が、光量子(光エネルギー)を吸収しミトコンドリアの働きを活発にしATPの産生を回復することやヘム(heme)の合成を活発にし代謝を回復することは広く知られています。

また、LLLTレーザー鍼は、適切な照射方法を守ることで、目への照射や過剰照射による火傷などを除けば、身体に有害な作用が起こらないことも確認されています。

医療分野では様々な病気症状の改善に利用されています。

  • 炎症による腫れ・痛みの改善
    抗炎症性サイトカインが増加したり(炎症性プロスタグランジンPGE2やCOX-2、NF-kBを抑制する)、交感神経の抑制(過分極)や血管内皮細胞に作用(NO増加)することで炎症や痛みを軽減。慢性化しやすい(慢性化している)関節炎や腱炎などの痛み腫れなどの改善に役立ちます。(COX-2は腫瘍増殖とも関連があります)
  • 傷や瘢痕、骨折の回復促進
    炎症を抑え痛みを軽減する作用に加えて、コラーゲンやエラスチンの合成を活発にするため傷や骨折の回復が早まり、傷跡も比較的にきれいになりやすい。
  • 睡眠の改善
    交感神経の過剰な興奮を抑えるとともに、メラトニンの分泌を活発にするため、寝付きが悪い、目が覚めやすいといった症状の改善に役立ちます。
  • 脱毛・抜け毛を改善
    女性の脱毛症においてもtelogen(発毛休止期)からanagen(成長期)に回復させ、発毛の再開と毛髪の径が太くなることに役立ちます。
  • 目や内耳の加齢症状の軽減
    頸部交感神経節を抑制して頭蓋内の血流を改善することで、網膜の血流低下と関連のする正常眼圧性緑内障や加齢黄斑変性などの状態を改善したり進行を抑えることで目の健康に講演します。耳鳴りや難聴といった症状には、内耳に直接に照射することで血流環境を直接改善することが可能です。
  • メラトニンによる抗酸化作用
    抗酸化作用の強いメラトニンは松果体以外の細胞内でも合成されています。睡眠障害だけでなく、卵巣・皮膚への適切な照射は細胞の酸化によるダメージに抵抗します。
  • 肌のコンディションを整える
    皮膚細胞に直接作用しコラーゲンやエラスチンのタンパク質の産生を促し、肌のはり艶の維持回復に役立ちます。
  • うつや不安症状の改善
    脳特に前頭皮質の血流を改善するため症状の改善に役立ちます。
  • 不妊・妊孕性の回復
    ミトコンドリアに機能回復や細胞膜のカルシウムイオンチャンネル(光反応性イオンチャンネルの一つ)などに作用することで、排卵や受精卵の分割などの回復に役立ちます。詳しくは不妊鍼灸をご参照ください
  • 他にも、
    免疫に対する作用として抗腫瘍サイトカインの増加
    細胞内のシグナル伝達に関与するカルシウムイオン濃度上昇による細胞内イベントの円滑な進行
    アルツハイマー病の進行抑制
    乳がん治療後のリンパ浮腫の予防改善

    などたくさんの作用・効果が判明し研究が行われています。

 

当室でレーザー鍼で対処している主な症状疾患

細胞内のミトコンドリアを活性化し機能の維持回復を促す
eg)卵質改善(不妊症) 無月経 耳鳴り めまい 難聴 メニエール病 円形脱毛症 成人性アトピー性皮膚炎 
交感神経の過剰な興奮を抑制し血流・ホルモンバランスの改善を促す
eg)子宮内膜が厚くならない・着床障害・排卵障害(不妊症) 月経困難症 月経不順 緑内障 加齢黄斑変性 睡眠障害 うつ・不安 浮腫み 更年期障害 冷え性 過敏性腸症候群 ストレス性胃炎 筋緊張型頭痛 片頭痛 過活動膀胱・夜間頻尿
炎症を抑え痛み晴れを緩和する
eg)腰痛 膝関節痛&腫れ 肩関節痛 股関節痛 指の痛み(ヘパーデン結節) 坐骨神経痛 帯状疱疹後神経痛 仙腸関節痛 関節リウマチの疼痛 顎関節症 外反母趾の痛み 膀胱炎 腱鞘炎 
メラトニンの分泌を促進、コラーゲン・エラスチンの産生を促進しアンチエイジング効果を促す
皮膚や卵巣から強力な抗酸化作用をもつメラトニンの分泌を促進し、睡眠の改善ばかりでなく、卵巣や皮膚のアンチエイジイングに安全かつ穏やかに貢献します。
eg) 寝付きが悪い・夜中に目が覚めるなどの睡眠のトラブル 卵質の維持改善 卵巣卵胞機能の維持改善 肌のコンディションの改善 傷の回復を早め瘢痕化を抑制する 繊維化し硬くなった筋膜の状態を改善する

 

Q&A

  • 低反応レーザー・低レベルレーザー・低反応レベルレーザー・スーパーライザーなど用語がたくさんあって紛らわしいのですが?
    他にもソフトレーザーとかコールドレーザー、フォトバイオモジュレーション(photobiomodulation)など様々な言葉がありますが、ほとんど同じ意味と考えていただいて構いません。赤線や近赤外線領域の波長の光線を皮下に浸透させるように照射する施術法です。LLLT(low level laser therapy とか low level light therapy)といいます。半導体レーザー、スーパーライザー、LEDなどを使用することが多いかと思います。
  • 半導体レーザーの方が治療効果が高いと聞きましたが?
    昔は、コヒーラント光に近いレーザー光自体に特別な治療作用があるのではないかと考えられた時期がありましたが、現在では光の波長(赤線・近赤外線)、光の密度・出力など照射条件を揃えれば同様の効果が得られることが分かっています。ただし、通常のランダム光(LEDなど)よりも、コヒーラントに近いレーザー光や光学フィルターで直線偏光処理されたスーパーライザーの方が細胞膜への作用性が高いという報告があります。
  • 腫瘍細胞が大きくなったりしませんか?
    LLLTの場合には通常以上の代謝状態にある細胞に照射してもほとんど変化が起こりません。(悪性腫瘍細胞は代謝の活発な細胞です)腫瘍周囲の抗腫瘍サイトカインが増加するなどして腫瘍自体が縮小するという報告があります。ただし、再発の予防には役立つかもしれませんが、がんの治療に関して標準治療に取って代わることはないと思います。LLLTは抗がん剤や放射線治療などに伴う副作用の緩和には有効な場合もあります。
  • 施設によって照射時間がまちまちですが、目安はありますか?
    目的とする細胞や組織に作用するに十分なエネルギー量を照射になければ変化は起きません。筋肉や脂肪に吸収され深くまで到達する光のエネルギはごく僅かになってしまいます。当室では使用する機器、照射対象の部位・深さなど様々条件を考慮して決定しています。また、細胞を活性化させる目的と強い炎症を鎮静化する目的では照射時間は大きく異なってきます。