不妊妊活FAQ

不妊とはどのような状態ですか?

避妊することなく性生活を行っているにもかかわらず一定の期間妊娠をしない状態を不妊といいます。妊娠を希望し治療が必要な状態を不妊症と呼んでいます。「一定期間」とは少し前までは日本では2年程度とされていましたが、現在では1年程度と考えてよいと思います。治療の開始時期に関しては、原因が明らかな場合や年齢が高い場合にはこの期間にとらわれる事はありません。原因不明な場合であっても、年齢・状況を考慮しケースバイケースで判断されるべき事と考えます。すなわち、妊孕性は、①年齢とともに、②妊娠しない期間の長期化とともに低下するため、妊娠希望者の状況に応じて早めに治療を開始すべきであるということです。

子宝に恵まれないのですが、いつ治療を始めるべきですか?

年齢だけが妊孕性に関係するのではありません。年齢によらず妊娠しない期間が長いほど治療期間は長期化する傾向があます。(つまり妊娠しにくいということです) 

原因不明不妊を非ARTで治療した場合の初診時における不妊期間と妊娠率には負の相関があります。

  • 不妊期間が3年以内の場合は、2年以内に80%が妊娠する。
  • 不妊期間が3~5年の場合は、2年以内に55%が妊娠する。
  • 不妊期間が5年以上の場合は、2年以内に30%が妊娠する。

初診時において医療機関を受診する前の期間が長くなるほど妊娠しにくくなることがお分かりいただけるかと思います。

若いにもかかわらずなかなか妊娠に至らない場合には、高齢者よりも難渋することがあります。。度重なる失敗によるストレスはむしろ若齢者の方が深刻であるのかも知れません。また、焦り不安のあまり頻繁に医療機関や鍼灸院を移ってしまうこともあるかもしれません。

特に、年齢が若くても、生理不順や無排卵、無月経などの症状がある場合には早発卵巣機能不全も考慮して早く専門医の検査を受けることをお勧めします。

また、現在卵巣予備能の指標としてAMH(アンチミューラー管ホルモン)が使用されることが多いかと思いますが、これに加え、FSHが慢性的に高くなって来ている場合には卵胞の閉鎖が促されていることが懸念されます。ですが、最近では低AMHであっても採卵する方法が工夫されていますので、自己判断せずに専門家に相談することが大切です。

半年間ほど子作りにチャレンジしているのに妊娠しないのですが??

若い方の場合、半年間ほど妊娠しないと少し不安に感じる方もあると思います。そのような場合には是非ご相談ください。生活習慣や身体状態、基礎体温などから改善すべき点がないかを一緒に考えてみましょう。タイミングの取り方が良くない場合もありますし、生活習慣やストレスが排卵や黄体機能に軽く影響を与えている場合もあります。問題があれば改善し、体調を整えながらもう少し頑張ってみましょう。

基礎体温をつける必要がありますか?

不妊クリニックに通院されている方の中には基礎体温をつけなくても良いといわれている方もあるかと思います。基礎体温を排卵や黄体機能を確認する手段と考えれば確かにBBT(基礎体温)よりも超音波や血液検査の方が優れているとおもいます。

基礎体温を正確に計測するには十分な睡眠をとった後で目覚めたらすぐに枕もとの基礎体温系で計測する必要があります。不規則な生活やストレスなどによって体温は容易に変化してしまいます。このため、西洋医学ではあまり必要がないと考えられているのかもしれません。

当室では基礎体温を単に排卵と黄体機能を推測する手段として考えているのではありません。逆にグラフの乱れから、ストレスや生活リズムの影響の有無を確認し、それらが身体与える影響を軽減するべく東洋医学的に治療をいたします。

基礎体温は毎日の計測温度をみて一喜一憂するものではありません。治療開始間もない頃は上下に乱れていたグラフだったのに、数ヵ月後には整ってくる方が少なくありません。身体の状態を把握する上ではこの様な変化を把握することも大切であると考えています。実際には、治療期間が長期に渡っている方などには計測自体がストレスになるという方も少なくありませんから、当室としても無理強いすることはありません。

排卵日の予測と妊娠可能な期間はどのように考えたらよいですか?

排卵日の予測は自然妊娠を望むカップルにとっては重要な問題です。

一般的に妊娠しやすいのは排卵日の5日前から排卵当日までの6日間です。特に排卵の前日と前々日は妊娠率が高いです。

この6日間に連日もしくは隔日の性交渉が推奨されています。

基礎体温を利用して排卵日を予測している方も多いかと思います。基礎体温と排卵日に関してですが、WHOでは次の4つが示されています。カッコ内は超音波を用いて実際の排卵日との一致率を探った研究結果です。

  • 最低体温日(51.8%)
  • 体温陥落日(56.3%)
  • 低温期最終日(62.5%)
  • 高温期初期導入日(26.8%)

このことから、基礎体温を用いて正確に排卵日を予測することはとても難しいことが伺えます。しかしながら、低温期と高温期のボーダー前後に排卵が集中することは確かですので、これらを含む数日前から連日もしくは隔日の性交渉望ましいと考えられます。(月経周期が安定している場合)

不妊は女性の問題ですか?

不妊症の原因は様々です。決して女性サイドの問題ではありません。その原因に関する統計的調査は数多あります。以下はWHOによる調査結果です。

男女双方の因子も含め約半数に男性因子が存在していることが伺えます。

生理中でも鍼灸は受けられますか?

大丈夫です。不妊治療の場合には月経のスタートから次のステージが始まっていますので、月経期間中に鍼灸を受けることは大切なことだと思います。

現代医学との併用治療は大丈夫ですか?

大丈夫です。現代医学における不妊治療であっても、患者さん自身の生殖系のバランスが保たれていなければ結果に結びつかなということは珍しいことではありません。当室における不妊患者の半数程度は婦人科や生殖専門クリニックの治療と併用されています。

また、普段多忙な医師に聞きにくいことなどを鍼灸治療中に確認される方も多くいらっしゃいます。わかることは丁寧にご説明いたします。医師の治療を疑問を残さずに納得したうえで受けることはとても大切です。このようなフォローが出来ることが生殖を専門とする鍼灸師にかかるメリットの一つです。

治療後の過ごし方で注意ることはありますか

鍼灸治療後の過ごし方は、不妊治療だからと言って特に変わることはありません。

  • 治療当日はゆったりと過ごす
  • 飲酒は避けること

不妊治療の場合はこの2点が大切です。

40歳を過ぎていますが鍼灸治療を受けるべきですか?

個人差はありますが、40歳を超えてくると卵巣の機能は衰えてくるため、妊娠しにくくなるのは事実です。質の良い卵を排卵する頻度が低下してきます。だからこそ、鍼灸でフォローしていくことが大切です。自律神経や血流の点から卵胞の成熟環境の改善を目指し、免疫の観点から着床環境の改善を図ります。むろん、状況にもよりますがホルモン補充療法などにより月経を整えることも、卵胞の成熟環境を整えることにつながります。

困難な状況を乗り越えるためには、現代医学と東洋医学を分けて考える必要はありません。どちらのの技術であっても、本人の状態に適したものは活用すべきです。だた、それを見極めるのは非常に難しく、豊富な知識と経験が必要となります。

高度生殖医療の技術的な進歩は確かに目覚ましいものがあります。しかし、良好な胚が獲得できなければ、なかなか出産までたどり着けないのが現実です。

地道な努力を継続することで、時間はかかりますが40歳を超えていても、妊娠出産する方は少なくはありません。

できるだけ自然に妊娠したいのですが?

生殖に対する考え方は人それぞれです。希望があれば不可能でない限りサポートさせていただきます。しかし、不妊検査はきちんと受けておきましょう。自然妊娠を望む方こそ器質要因を排除すること、甲状腺など他の疾患からの影響の可能性を除外することが大切です。

当室ではタイミング法・人工授精共に44歳の症例があります。

正常な精子の基準はどのくらいですか?

WHOマニュアル2010により正常下限値が変更されました。

精液量 1.5ml
総精子数 39,000,000
精子濃度 15,000,000
総運動率(前進+非前進) 40%
前進運動率 32%
生存精子率 58%
正常形態率 4%

当室では精子の状態の改善を希望する男性の治療は新規でも受け入れています。主に乏精子症や無力症などの精子濃度や運動率の改善、加齢による精子の老化に実績があります。