緑内障

眼球の中には眼房水という液体が流れています。この液体が正常に排出されなくなると眼圧が上昇します。どのように障害されているのか、つまりその原因により緑内障は分類されています。。

では、緑内障は必ず高眼圧を伴う病気なのかといえばそうではありません。緑内障患者の7割は正常眼圧なのです。また、眼圧が高い緑内障患者の眼圧を治療(薬剤・手術)により正常眼圧まで下げても、視神経の障害が止まらないケースもあります。さらには、眼圧が高いのに視神経が障害されないケースもあります。緑内障の発症進行には眼圧ばかりではなく、血流障害や個人の視神経の強さなども強くかかわっているといえます。

近年の厚生労働省の調査によれば緑内障は中途失明の原因の第一位であり、日本人の5%が罹患していると報告されています。正常眼圧の場合には自覚症状に乏しく視野欠損に気づきにくいため、知らないうちに病気が進行してしまっているケースも少なくないのです。

正常眼圧であるにもかかわらず発症した場合や眼圧が正常域に低下したにも拘らず進行が止まらない場合には対処に苦慮することが少なくありません。このような場合には悪化要因となる喫煙や食生活、ストレスなどを見直して改善することも重要です。

正常眼圧性の場合には、血流が大きくかかわっているといわれています。神経も細胞の集合体ですから、その機能を維持するためには血液が必要です。老化や不摂生な生活、眼への過剰な負担、過大なストレスなど様々な要因の影響により血流障害が常態化し機能は徐々に失われて行くと考えられています。では、眼だけの問題なのかというと実際には血流障害に関連性のある全身の様々な症状・疾患と深く関わっていることが多い病気でです。当室ではこのような認識のもとに、東洋医学の知識を駆使し鍼の血流改善効果、抗酸化作用を可能な限り引き出し、眼ばかりでなく全身の状態を整えることにより緑内障の進行を食い止めることを目標に治療を行っています。

神経障害を止めるということは非常に難しいことであり、一度失った神経機能(視野欠損)は現状ではもとには戻りません。初期段階から治療を開始し、眼科治療・定期検査、生活習慣・食生活の見直し、鍼灸治療などを活用して極力病状を進行させないことが大切なのではないかと考えます。

<当室における鍼灸治療>

緑内障の進行状況など眼の状態を問診により確認した上で、さらに他の疾患の有無・全身の健康状態を確認させていただきます。東洋医学的な診察・考察を行い治療方針をご提案させていただきます。

状況により異なりますが、週に1回~隔週程度の治療を行います。眼科における視野検査・OCT(光干渉断層計)検査・眼圧などを参考にしつつ治療頻度・内容を修正していきます。

<臨床例 正常眼圧緑内障 40代女性>

眼科で正常眼圧性緑内障と診断される。実生活上見えにくいなどの症状はないが、検査では視野欠損が確認されている。眼科での定期検査で少しずつ視野欠損が進行しており、OCT(光干渉断層計)でも異常が認められるため当室を受診した。PC関連の仕事のため日頃目が非常に疲れ、頸や肩コリ、慢性的な頭痛がある。いわゆる眼精疲労状態もあり1回/週の継続治療を行うこととした。頭部・頸部・背部・手足の経穴から10穴ほど選定し全身的な治療を行う。その後転居するまで3年ほど治療を行ったが、症状の進行はほぼ止まった状態を維持することが出来た。

<臨床例 解放隅角緑内障 50代女性>

頭痛や頸こりが続きマッサージを受けていたが症状が改善することはなく慢性的な症状になっていた。頭痛が急に悪化し、見え方もおかしいと感じたため眼科を受診すると、眼圧が高く緑内障と言われ点眼薬で眼圧を下げることとなった。点眼薬を変えつつ治療を行ったが眼圧が20以下にならないため当室に相談に来た。標準眼圧域に下げるため点眼治療に並行して鍼治療を行うこととした。最初2か月は週2回、その後は週1回の治療を行った。眼圧は3か月程で16~18程度に下がった。その後更に3カ月間ほど治療を継続し眼圧が保たれ、症状の進行も止まっていたので本人の希望により点眼薬での治療とし鍼治療を終了した。

<臨床例 正常眼圧緑内障 50代女性>

たまたま眼科に行ったところ正常眼圧性緑内障と診断され、その後眼科に通っているが徐々に視野欠損と視神経乳頭の状態が進行しているため相談に来られた。鍼治療を3年ほど継続したところ、その間はほとんど症状が進行することはなかった。その後は来院がなくなり、2年半ほど経って症状が少しずつ進んでいるといって来院された。継続的な治療によりほぼ状態を保つことが出来ている。

<臨床例 薬剤性緑内障 40代女性>

強膜炎のためステロイド点眼薬を使用していたところ眼圧が上昇し緑内障と診断された。ステロイドを使用しないと目の痛みがひどいため、鍼で何とかならないかと相談に来られた。週2回ほど鍼灸治療を行いつつ、再びステロイド点眼薬を再開したところ、ほぼ眼圧を保つことが出来たため点眼薬治療を継続することが出来た。半年強ほどで強膜炎が落ち着いたため治療を終了した。

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