急性腰痛(ぎっくり腰)

日常の何気ない動作や咳やくしゃみなどがきっかけとなり、瞬時に激しい腰痛が起こり身動き出来なくなる症状を通称「ぎっくり腰」と呼びます。痛みの原因としては主に次のようなことが考えられます。

  • 動作に伴い腰部の筋肉・腱の線維に損傷が生じた
  • 背骨を連結している関節に捻挫などの損傷が生じた(椎間関節の捻挫)
  • 背骨と背骨の間にありクッションのような役割をしている椎間板にトラブルが生じた。
    (線維に部分的な断裂・・・椎間板ヘルニア、椎間板の膨隆による周辺組織の圧迫・・・椎間板症 など)

一般的に3日~1週間程度の安静が必要です。患部の血行をよくすることにより神経の炎症が早く治まり回復が促進されます。安静という観点から発症後間も ない場合、マッサージや整体(ポキポキ)を行うことはのぞましとはいえません。鍼治療は血 行の改善と鎮痛、痛みのために緊張している筋肉の緊張緩和を目的として行います。また、鍼治療は患部に炎症があるような場合でも熱を加えることなく 血液の循環を改善することが出来ます。

腱や関節の損傷の場合には治療はおおむね2~数回程度(損傷の程度による)ですが、坐骨神経痛(下肢の痛みシビレ)が起こっているような場合には椎間板の損傷も考えられますので長引く場合があります。この様な場合程度により鍼灸も有効ですが、後々のことも考えてまずは医師による精査をおすすめします。これは鍼灸治療の有効性がどうのこうのというのではなく、患部の状態を患者本人が把握しておくことで後々の発症を予防することにつながるからです。

急性腰痛に関しては、激痛を伴っているにもかかわらず、「今日中に何とかしてください」とか「一回で治して下さい」とか、「以前にかかった治療院では一回の治療でまったく痛みを感じない状態にしてくれました」いった問合せを頻繁にいただきます。確かに、一度の治療により翌日痛みが大幅に減少したという例もありますが、これは患部の損傷が軽度であったからだと考えるべきです。各々が抱える事情は理解いたしますが、小職はそのような結果をお約束できるとは考えていません。

小職ははむしろ、疼痛が軽減してきた時こそ鍼灸治療を行い損傷組織の血流を促すことが、再発の予防につながると考えています。回復期に鍼灸治療を行い損傷部位の血流を改善し外傷性トリガーポイントの形成を極力防ぐという考え方です。