鍼灸治療って?

東洋医学の魅力

東洋医学には現代医学とは少し異なった視点から身体を観察する特徴があります。

  • 未病という概念が存在する
  • 器質よりも機能面を重視する
  • バランスを重視する

例えば、腰椎が加齢により変形し腰痛が生じたケースでは、ほとんどの場合当室では”変形”=”痛み”とは考えません。変形が生じる前に負担がかかっている支持組織に介入することで、痛みの緩和・予防が図れます。変形が生じた後であっても、気血のめぐりやバランスなどの視点から痛みを生じさせている要因を探り治療します。これにより、消炎と鎮痛という結果が得られるものと考えます。実際、変形が生じた周囲の筋膜(fascia)には張力の異常が生じます。それにより、摩擦・圧迫などが増加し弾性や潤いに富んだ筋膜は変性し肥厚線維化します。そこにトリガーポイントが形成され痛覚の受容器が異常興奮し慢性疼痛や不快感の原因となります。当室では様々な観察を行って変性部位を特定し、そこに直接鍼を刺入することで組織の正常化を図ります。

ほんの一部の例ですが、このような考え方を病気の予防と治療に役立てることが、東洋医学としての鍼灸治療の魅力であると考えています。

鍼灸という治療法

鍼灸とは鍼や艾(モグサ)という治療道具を使用して、身体に400箇所以上もある経穴から適切な穴(ケツ)を選定し、東洋医学の理論に基づいて施術することにより体調を整える治療法です。古の中国に起源を有しますが、現代ではアジア諸国はもとより欧米においても広く普及しています。日本でも湯液(漢方薬)と同様に長きに渡り実践され、独自の発展を遂げています。また、近年では欧米や中国をはじめ様々な国で、作用機序や臨床効果に関する科学的な研究が行われています。伝統医学のカテゴリーに属する医学ですが、多くの国で科学的な研究活動が行われていいます。補完代替医療の中ではその効果が客観的に検証されていることが鍼灸の特徴です。

鍼灸の作用

東洋医学のことはあまりご存じなくても、ツボとか経穴という言葉なら多くの方が知っているかと思います。鍼やお灸を使ってツボを刺激し体の中のエネルギーや血液、水分などの状態を整えて体調を整える方法が鍼灸です。

適切に治療が行われた場合には、基本的には次のような作用を引き出すことができます。

  • 血液の流れを整える
  • 自律神経の状態を整える
  • 自然免疫など身体の抵抗力を整える
  • ホルモンのバランスを整える

症状の要因を考え、これらの作用を引出ながら症状の改善を図ります。鍼灸のこのような作用を補う目的で、軽い運動や食の改善を取り入れる場合もあります。

「適切に治療行われた場合」とは微妙な表現ですが、患者さん一人ひとり症状の程度も異なりますし、施術に対する身体の反応・応答性も異なります。このため、当室ではあらかじめ患者さんの状態を予診票や問診で把握し、舌や脈も参考にしながら、使用する経穴や鍼手技・刺激量などを決定します。

当室では患者さんの病気や症状の聞き取りだけでなく、「なぜその症状が起こっているのか?」を考察し、「鍼灸のどのような作用を引き出せば患者さんの症状は軽減するのか?」を判断しながら計画的に治療を進めます。

使用する鍼や灸について

当室で使用する鍼は0.1㎜~0.2㎜ほどの太さの鍼を使用しています。通常であればほとんど痛みを感じることはありません。患者さんの状態によっては痛みに敏感になっている場合もありますので、適切に加減するように心がています。使用する鍼は使い捨てタイプのタイプの和鍼と中国針を使い分けています。

お灸に関しては、基本的にはツボにシートを貼り、その上にふんわりとひねったモグサを置いて火をつける方法を採用しています。体に痕が残るようなことはありません。より一層自然免疫を整えたいなど、患者さんの状態によっては皮膚の上で直接モグサを燃やす方法を採用する場合もございますが、必ず事前に説明し同意を得てから行いますのでご心配なく。

当室で使用するモグサは国産最上級の点灸用モグサをセレクトしています。質の悪いモグサは夾雑物が多くなり燃焼温度が高くなるため、身体への負担が大きくなります。

 

施術の部位や刺激方法

当室では、手足や背中やお腹などの体幹部への鍼灸以外に、頭皮鍼といって頭のツボに鍼を打つ施術方法を取り入れています。また、必要に応じて頭部の経穴にお灸をする場合もあります。頭部の経穴にはメンタリティーやストレスに係わる経穴が多いですが、目鼻耳などの感覚に関する疾患症状にもとても有効です。

当室で行っているアプローチの方法としては以下のような方法があります。

東洋医学によるアプローチ
中医学に基づいた考え方で症状を把握し、治療方針・配穴を決定する。
現代医学によるアプローチ
現代医学に基づき神経や運動学などの視点から病状を把握し、治療方針を決定し経過を把握する。
筋膜に対するアプローチ
全身の筋肉や臓器組織を包んでいる筋膜の状態を観察し、痛みや不快感(自律神経症状)の原因となる異常な状態について調べます。異常な部分へ直接的にアプローチすることで、異常な筋膜のリリースやトリガーポイントの不活性化を図ります。
低反応レーザーによるアプローチ
症状や状態を把握して、改善が期待できる部位および経穴に適切な量の近赤外線光を照射します。弱い光刺激に対する身体の反応を利用した治療法です。

使用する鍼は、0.12㎜~0.2㎜ほどの太さです。注射針と比較するととても細い鍼を使用しています。

  • 鍼(毫鍼)を経穴に刺入し一定時間そのままにしておく置鍼法
  • 刺入した鍼に手で操作を加えてツボを刺激する鍼手技療法
  • 刺入した鍼に微弱な低周波パルスを通電しツボの効果を引き出す低周波置針療法

といった刺激方法を採用しています。

器具の衛生管理

鍼治療を検討されている方や鍼灸院を新たにお探しの方にとって、使用する器具類の衛生管理は気になるところです。ライラック治療室ではおおむね以下のような点に注意しています。

安全清潔なステンレス製の使い捨て鍼を使用
細くて丈夫なステンレス製のディスポーザブル鍼を使用しています。和鍼タイプ・中国針タイプを使い分けています。鍼はメーカーにより特徴があるため、数社の鍼を使い分けています。
徹底した施術器具の衛生管理
鍼施術に使用するシャーレやピンセットなどの器具は薬液浸透・超音波洗浄後にオートクレーブ滅菌しています。体液に付着するタンパク質を予め除去することで滅菌効果が担保されます。
指サックの使用
衛生上および感染対策の観点から、鍼を刺入する際には使い捨ての指サックを使用しています。

 

レーザー鍼って何ですか?

また当室では、レーザー鍼といって微弱な赤線近赤外線領域のレーザー光や直線偏光を照射する治療法も採用しています。熱ではなく光のエネルギーを組織に吸収させることで様々な作用を引き出す方法です。

  • 光のエネルギーで細胞や組織を活性化し代謝を向上させる
  • 血液の流れを良くする
  • 交感神経の過剰な興奮を抑えて自律神経を整える
  • 炎症を鎮める
  • 線維化や癒着状態で硬くなった組織の弾力性を向上させる

使い方によって、基本的には以上のような作用を引き出すことが可能です。LLLT療法は細胞や組織に目的に応じて適量の光エネルギーを吸収させることで作用を引き出す治療法です。深さ、到達率、エネルギー密度、時間、波長の選択などを考慮しない照射は単なる赤外線療法となってしまいます。

わずかに温かい程度の刺激ですので鍼が苦手な方でもお気軽に受けていただけます。当室ではレーザー鍼を単独で受けることが可能ですし、鍼灸と併用することで治療効果を向上させることもできます。

Q&A

  • Q.頭のツボに鍼をした後に美容室へいっても大丈夫ですか?
    頭皮鍼に使用する鍼は非常に細く短い「短鍼」というタイプのものを当室では使用します。薬液など普段使用しているもので自分に合っているものであれば、鍼の後だからといって問題になることはありません。
  • 美容鍼はしていますか?
    美容鍼には対応していません。お肌のコンディションを整えたい方はレーザー鍼をお勧めいたします。エストロゲンの分泌も増えますし、光受容体の働きでコラーゲンやエラスチンの産生が増え肌のはりや艶などが改善します。
    また、スーパーライザーは皮膚科でも取り入れられている機器で、継続して行えば成人のアトピー性皮膚炎の症状の改善にも効果があります。